感覚や経験に頼らず、
確実に目で確認する治療を行います
当クリニックでは、より安全で正確な治療を患者様に受けていただくために、世界最高峰の光学機器メーカー、ドイツのカールツァイス社製歯科用顕微鏡を導入しました。
歯科用顕微鏡を用いた虫歯の治療
日本の医療保険制度は世界に冠たる制度です。とくに、東北の奥まった無医村の田舎の小さな村なのに保険制度が普及したおかげで雪に閉ざされる冬の間でも新生児死亡率ゼロを達成した、という話を幼い頃から聞かせられてきた私のような者にとっては、ありがたい制度だという認識が今でも強くあります。
しかしその制度も半世紀以上が経過すると、いよいよ制度疲労を起こして機能不全に陥りはじめているように感じます。
その代表的な例が、昨今のウクライナ問題でも話題に登った「歯医者の銀歯」問題です。
歯科で使われる材料は金合金やチタン合金などいくつかあります。このうち、保険診療においてよく使われる金属は「金銀パラジウム合金」といいますが、耐久性や強度について国が一定の保証している金属ということになります。あまり大きくない虫歯の場合は、虫歯とともに削り取ってしまった歯を金属に置き換えて詰めることで治療します。この金属に使う銀歯は国家の保証ですから割としっかりしているのですが、一方でいくつかの問題も存在しています。
まず、精度が高くないのです。治療する医療者側の問題、製作する技工側の問題、医療制度的な問題、色々ありますがそれらを合わせた結果として、作製された金属の精度が高くなく、歯と詰めた金属の間に隙間ができたりしています。また、金属の強度を上げるためにいくつもの微量の金属を混ぜて合金としていますがこれら微量金属によって金属アレルギーが発症する方もおられます。 さらに強度が上がっているので、銀歯を使い続けていくと歯と金属の境目では歯だけが削れてしまい、硬い金属のみすり減らずに残ってしまうことがよく起きます。もともと精度の高くない詰め物ですから、歯と金属の隙間が広がりそこに食べ物が溜まると新たな虫歯ができやすくなります。銀歯をとったら中の虫歯が大きく広がって、というのはよく聞く話です。
ではどうするのか。金属の代わりに型取りしてセラミックで詰める、という方法もあります。しかし、これでは金属がセラミックに置き換わっただけで、あまり変化がありません。
ここでは顕微鏡を活用して虫歯をきちんと取り除き歯の形をしっかり回復させていく方法があります。それが、歯の表面を接着剤の皮膜で覆いながら強化型プラスチックで歯の形態を回復させていく方法、ダイレクトレストレーションです。直接審美充填ともいいますが、ある程度の大きさ虫歯であれば、その日のうちに歯を元通りに近いカタチと色調に戻すことができます。顕微鏡で逐次、手と目を使って確認して進めるので治療が完了したあとは、どこが直した部分なのかわからないくらいきれいになっています。
また最近の材料学の進歩によって、より歯の強度に近い材料を応用することが可能になりました。銀歯を放置すると虫歯のリスクは上昇する可能性がありますが、ダイレクトレストレーションで治療することで、歯の保護と機能の安定を図ることができるようになります。